バチが当たる皮の上に半月状の小さな薄い皮を貼ります。これを「バチ皮」といいます。
バチ皮にも犬皮と四つの2種類があり、犬皮には犬皮のバチ皮を、四つには四つのバチ皮を貼ります。
接着剤は、貼り直すことを考慮して、強力なものを使用してはいけません。市販の「バチ皮糊」として調整させた合成糊を使うと便利です。また、水で薄めたヤマト糊や卵の白身で貼る人もいます。
指掛けともいいます。棹との滑りを良くするためのもので、左手の親指と人差し指の股に付けるものです。長唄では、下図の一般用を使います。
昔は、打ち粉を棹にはたいていたようですが、毛糸で手編みしたものが売り出されるようになり、今では、機械編みのものが市販されています。
根緒は、糸を掛けるために中子の先に取り付ける組紐です。正絹と人絹があり、大きさは、長唄用・地歌用・義太夫用があります。
右腕を乗せる胴には、舟形のカバーを掛けます。胴掛けといい、経木やボール紙の芯に、布を貼ったものです。胴の大きさに合わせて数種類あります。
膝ゴムは、膝の上で胴を安定させるために用いる滑り止めです。15cm×10cm程の長方形などが多く、素材や色も多種類あります。
天神の先端は、海老尾と呼ばれるほど、大変きれいな曲線を描いています。先端は薄く尖っているので、保護するためにカバーを掛けます。これが天神袋です。
天神の大きさは、同じ長唄三味線といっても微妙に異なります。天神袋もその大きさに対応するように各種揃っていて、大きさは内側に「195」「20」などと表示されています。
三味線には「上調子」という技法があります。上調子とは、本手とオクターブ違いで弾くことで音に広がりを持たせたり、本手と違うリズムを加えて旋律を装飾するものです。上調子は、本手の完全4度上に調弦します。かせは、文化譜の4の勘所辺りに装着して、糸を短くし、調弦しやすくするためのものです。
かせは、幅0.5cm長さ3.5cm厚み0.5cm程の蒲鉾状の棒(紅木など)で、両端の穴に紐を通して、棹に縛ります。
忍び駒は、夜間の練習のためなどに音量を落とすための弱音装置で、長さ約16cmの駒です。長くした両端を、皮ではなく胴に着地させて、糸の震動が皮に伝わらないようにしたものです。
仮継ぎは、ほうの木などでできていて、棹を折ったときに折口に装着して保護するものです。これは、1挺ずつその三味線に合わせて作られています。
胴板は、胴より一回り小さく、胴の形をした薄い桐の板です。三味線を保管するときに、皮の上にあてがい、湿度調整の補助や皮を保護するものです。