青?裸々な日常
2009年12月1日~
第170号 2009年の最後はダブルヘッダー



12月1日(火)
月が替わろうと毎日毎日は繋がってるわけで。
と、考えた方が良いときもあるが、今回は
「12月になったぞー、新たにがんばるぞー」と思いたいわけで。
そう思おうとすると、どっかから力が湧いてくるものですな。
よっしゃーーー。
の掛け声とともに今月が始まりました。
まずは、お稽古日。

12月2日(水)伝の会 銀ぶらライヴ
今日も何人かお稽古をする日。
昼過ぎに終わると伝の会の支度。
えっと、紋付とぉ、袴とぉ、草履とぉ、えっと・・・・あ、まきチラシとぉ、うーんと、あ、曲目決めたんだった、そうそう、プリントアウトしとこっと。
あとは大丈夫かな・・・・あ、お三味線とぉ。
ってな具合にグダグダ支度。
明日は那覇でひとりライヴなので、そのこと考えながら地下鉄に乗る。
銀座すずらん通りをテクテク歩いてたら邦さんと会ったので、
「じゃ、そばでも」
と、おそば食べてタクトへ。
まずは、サンデー毎日の取材。
15日発売だそうです。
で、リハーサル。
最近、サウンドが気になる。
どうも、僕が思ったような音で出てないみたいだ。
なにせ、自分の音は客席で聞けないんだから厄介だ。
なので、念入りにやってみた。
今夜はいつもより曲数を増やした。
そうしたかった。
ゆっくり弾いてみたくて。
弾けよっ!
三味線弾きなんだから。
良いお客さまたちだった。
終わって邦さんと2杯ビールを飲む。


12月3日(木)松永鉄九郎ライヴ 那覇
昨夜タクトのライヴだった。
今朝は飛行機に乗っていた。
那覇に着いた。
一瞬暖かいと思ったが、こっちの人たちは皆長袖で「寒い寒い」と言っている。
そのうち、僕も寒くなってきた。
「沖縄は常夏でいてくれ」
と毎年思うのだが、そうもいかないらしい。
今夜は、久々のコルコでのひとりライヴ。
今夜で12回目。
一年以上やってるんだなぁ。
たくさんの曲を弾いてみた。
昨夜のタクトもたくさんの曲を弾くプログラムにしてみた。
最近は曲をたくさん弾きたいと思うようになってきた。
ま、今までもそう思わないではなかったんだけど。
いろいろ変化はあるもので。
そんなこんなが自分でも楽しかったり不思議だったり。
ともあれ、ライヴをやらせてもらえるというのは、とてもありがたいことです。


12月4日(金)
今日は良い天気になった。
「暑いぞーー、今日こそは」と思ったがやっぱちょっと涼しかった。
今日、お稽古していてふと気づいた。
11月29日から毎日お稽古が続いていることに。


12月5日(土)伝の会 ちょんまげ倶楽部
昨夜遅くに帰宅したが、今朝は早くに電車に乗っていた。
我ながら、まぁ、よく動くなぁと感心します。
9時すぎに雷門の前でスタッフと待ち合わせをしていた。
人力車のお兄さんがしきりに話しかけてくる。
何を言ってるのかわからない。
外国語のよう。
よっぽど、起きてないぞ俺。
邦さんとも合流して吉幸へ。
昼から「ちょんまげ倶楽部」があるのだ。
お食事してライヴやって、という。
お客様と身近に接するのは楽しい。
最後は浅草寺をバックに記念写真。
帰りは雨が降ってきた。
夕方、帰宅。
早いぞ。
こんなに早く帰ってきたのは久しぶりだ。
今夜はもう何も無い。
さぁ、昼寝をしよーーー。
夜、食事終わったころに鉄七から電話。
今夜、志の輔らくごのために島原に行っている。
先日、巣鴨で出囃子ひとりデビューしたが、地方に泊りがけで行くのは初めて。
本人もドキドキだったろうが、僕もヒヤヒヤした。
なんとか無事に終わったと言う。
良かった。
また、弟子が育った。
志の輔師匠に感謝。


12月6日(日)てんの会と志の輔師匠
よく寝た。
じゃ、元気なのかといえば、ボヤッとしている。
昼過ぎに鉄平が来る。
19日が歌舞研の発表会、僕が弾きに行けないので鉄平に任せた。
その打ち合わせ。
その後お弟子さんのお稽古して、15時に三七郎くん来宅。
13日に「てんの会」の下ざらいがあるが、三七郎くんが来られないため、彼が立唄を担当している「小かじ」「角兵衛獅子」「外記猿」「越後獅子」を下ざらいする。
「小かじ」も「外記猿」も初舞台。
唄ってもらって、並んで弾くことも初めて。
どんだけドキドキしたことだろうか。
その緊張が上達を生むのだ。
終わって、皆で食事に行く途中、志の輔師匠から電話。
テ「鉄七がお世話になりました」
志「本人もとても緊張しただろうけど、ちゃんと弾いてたよ」
師匠は、僕が心配しているであろう、と気に掛けてくれているのだ。
これで鉄七ももっと上達するだろう。
鉄六もそうやって志の輔師匠に育ててもらっている。
真剣にがんばっている人は、必ず誰かが応援してくれるのだ。


12月7日(月)志の輔らくご 岡山
師走とは言うものの、ほんに、めまぐるしい日々を過ごしております。
岡山行って浜松行ってという順に過ごすので、荷物とかの準備がぁ。
何か忘れ物無いかなぁ?
と思いながら、今日は、まず、東京駅に向かうのです。
「東京駅東京駅」とブツブツ言いながら行動しないと羽田に行ってしまうのです。
「東京駅東京駅。新幹線新幹線。ブツブツブツブツ・・」
無事に到着。
さて、新幹線に乗ろうと思ったその時、志の輔師匠がやってきました。
軽く手を挙げてらっしゃいます。
志の輔師匠、志の吉くん、メンソーレくんと僕。
久々に男だけのツアーの始まりです。
途中、一時間の睡眠を挿み、ずーっとおしゃべりしてました。
芸のことゴルフのこと、はたまたゴルフのことや芸のこと。
岡山駅に着くと、志の吉くんとメンソーレくんは主催者とともに会場へ。
師匠が「おいっ」と言うので、私は師匠のお供。
ま、いつもそうですが。
買い物しようにも、買うものがなかったので
志「じゃ、うどん食うか」
テ「ラーメンもありますよ」
志「ラーメンがいいな」
テ「うまいっすね」
志「うん、うまい」
テ「わかんないもんですねぇ、どこにうまいラーメン屋があるかって」
志「そうだな」
テ「お勘定んとこで、何言ってたんですか?」
志「割引のチケットくれようとしたから、断ったんだよ。無駄になってもいけないし」
テ「来ないですもんねぇ」
志「明日来たりしてな」
テ「あり得ますなぁ」
志「昨日、チケット断ったもんなんですがってな(笑)」
ホテルにチェックインしてみたものの、昼寝をする時間も無いので
志「行くか?」
テ「はい」
岡山市民文化ホール到着。
中入り後に志の吉くんが出るので、そのあとに弾いてきなさいということになる。
志の吉くんの高座の後、水音になり、歩いて高座へ。
弾き始める。
久しぶりだなぁ、師匠の独演会で弾かせてもらうのは。
楽しい時間でした。
終演後、岡山のお弟子さんたちが楽屋に来たので、
志の輔師匠と写真撮ってあげる、撮ってあげる、あげる。
お弟子さんたちと別れ、打ち上げの店へ。
師匠の大学のお友達なども一緒。
「師匠は大学の時、どんなだったんですかぁ?」
ワタクシはそういう話が大好きである。
打ち上げ終わり、ホテルに行くと「一杯だけ飲もう」となり、閉まりかけのラウンジへ。
師匠はトニックベースのものを、僕は「カミカゼ」、志の吉くんは「ソビエト」というおもしろい名前のカクテルを。
カミカゼもソビエトもガツンと来たぜ。


12月8日(火)浜松稽古&忘年会
7日から8日に日付が替わってしばらくしたころ、ホテルのラウンジを出た。
明日の新幹線の時間が決まってないので
テ「明日出発するときには電話くださいよ」
志「ん?」
テ「黙って帰られても。僕も一緒の新幹線に乗りますからね」
志「はははは、してやる」
朝、9時くらいに目が覚めた。
いつ「帰るぞ」と電話があるかわかんないので起きて一階のレストランでコーヒー飲んでたら、
メ「メンソーレです。師匠、出発しますって」
テ「はいよっ」
部屋帰って支度して出る。
志「朝食食べたのか?」
テ「コーヒーだけ飲んできました」
一応、昨日のラーメン屋をのぞいて見る。
志「さすがにやってないな(笑)」
新幹線でコーヒーを2杯飲み、師匠がお弁当を食べ終わったころ、名古屋に着いた。
テ「じゃ、ありがとうございました」
志「おぅ」
師匠たちはこのまま東京に帰る。
僕は浜松に行くのだ。
浜松に着くと、相変わらずバタバタと人に会ったりして、用が済むと病院に。
今年、検査をしていなかったのを先日思い出したので、急遽やっていただくことにした。
最後に「インフルエンザの注射してくかい?」
というのでお願いした。


12月9日(水)
だるい!
疲れがドッと出たのだろーか?
お稽古日&忘年会なのだ。
大丈夫だろーか?
お稽古始めてもなんだかだるい。
困ったなぁ。
その時
「先生、インフルエンザの注射打ったからじゃないですか?」
なにっ、インフルエンザの注射を打つと翌日だるくなるのか?
「熱出たりもするそうですよ」
なぬっっっ!!
そっかぁ、それでだるいのかぁ。
まあ、原因がわかって良かった良かった。
これで安心して忘年会をやれるわ。


12月10日(木)伝の会 若松小学校と白瀧編
7時すぎの新幹線に乗る。
浜松から。
眠い。
おなか減った。
品川で降りる。
渋谷から明大前経由で東府中へ。
10時すぎに若松小学校到着。
毎年来ている小学校。
すっかり道順覚えた。
伝の会。
6年生やって、給食を食べ、5年生。
校長先生ともすっかり仲良くなり、雑談していると15時近くになった。
邦さんは車で、僕は電車で帰宅。
家に着いてコーヒー飲んでいると邦さん到着。
稽古場でゴロンと寝そべっていると鉄六到着。
近所の呉服屋さん白瀧へ。
今夜はここで伝の会。
たっぷり弾いて終了。
ふー、今日はよく弾いた。
3ステージ。
地元で打ち上げ。
家が近いので便利だ。
お風呂入って、バタッと就寝。


12月11日(金)
お稽古日。
13日に「てんの会」の下ざらいがある。
その直前のお稽古ということで、たくさんのお弟子さんが来た。
終わって22時。
娘がハンバーグが食べたいというので出かける。
「俺、肉じゃないほうがいいよなーーー」
とか思いながら。


12月12日(土)志の輔らくご 彦根
14時の新幹線だというので、ちょいとのんびりできた。
志の輔師匠と彦根まで行く。
新幹線で名古屋乗換えで米原へ。
今週は新幹線ばかりに乗ってるな。
志「米原なんて降りたことないだろ?」
テ「いや、こないだ来ましたねぇ、長浜のあたりに」(2009年11月27日参照)
志「どこでも行ってるなーーー」
テ「たまたまです」
志「立ち食いそばあったとおもうけどなぁ」
テ「そうでしたかぁ?」
立ち食いそば屋さんは上りのホームだと言うので、あきらめて、
志の輔一行5人はジャンボタクシーに乗り込みました。
途中でラーメン屋さんに寄る。
志「何ラーメンがあるんだ?」
テ「1種類ですよ」
志「ふーん」
テ「チャーハンもあるんだ」
志「ひとつ取っておけ」
志「ギョーザうまい」
テ「にんにく入ってないって書いてありますよ」
志「入ってる入ってる」
テ「ラーメンに、この辛いの入れるとおいしいですよ」
志「うまいな」
志「このギョーザと辛い味噌みたいなの売ってないのか?」
S「売ってないみたいです」
レジで、師匠が「おいしかったよ」と言って店を出るとき、
入ってきた家族連れのお母さんが、師匠を見て「わっ」と驚きバタバタしていた。
そういえば、師匠といるとそういう場面に接することが数多い。
そりゃそうだよな。
でも慣れてきちゃった。
良くない良くない。
タクシーに再び乗り込む。
志「運転手さん、ありがとー寄ってくれて。おかげでおいしく食べましたよ」
運「それは良かったですね」
志「暗くなってきたな」
テ「もう彦根なんですよね」
志「いっつもこうだろ」
テ「ま、そうですよね」
志「真っ暗な彦根に来て、どこも見られず」
テ「一泊して彦根城とか行く余裕がないといけませんわね」
志「うん。『彦根はどうでしたか?』『ああ、暗かったよ』(笑)」
テ「ははは、ギョーザがおいしかった」
志「ははは、『でも持って帰れなかったんですよ』って、なんだい(笑)」
ひこね市文化プラザに到着。
「金亀亭」というタイトルで今年から落語会を始めたのだそうだ。
今夜で4回目。
ついこないだまでは、僕の出番があるかないかは、師匠が一席やって帰ってきたときに決まっていたが、先週の岡山といい今夜といい、
開演前には、僕の出番が決まってるようになった。
お弟子さんたちも慣れてきたのか、
いままでは「鉄九郎さん、何曲おやりになりますか?」と聞いてきてたのが、
「鉄九郎さん、いっつもどおりっすよね」と確認だけして、舞台監督に「鉄九郎師匠が7~8分やりまーす」と、簡単明瞭になってきた。
なんだか不思議な気分だ。
志の輔一座に入れてもらったみたいな感覚、うれしいことです。
開演前に、志の輔師匠に丁重にご挨拶にいらしていたここの館長さんが
僕の出番の前に来てくださって、
館「鉄九郎さん、こないだ浜松の舞台を見させていただいたんですよ、喬太郎師匠の時に出られていたでしょ」
テ「ええっ!!あ、ありがとうございます」
どこで見られているかわからんぞ。
うれしいやら恥ずかしいやらで。。。
公演は無事に終演し、また、さっきのジャンボタクシーに乗り、一路、名古屋へ。
志「ラーメンは勘弁してくれよ」
テ「そりゃそうでしょ。なんで往復でラーメン食べなアカンのですか(笑)」
志「はははは」
11時前に名古屋到着。
焼肉屋に落ち着く。
フラッと入った店にしては(失礼な言い方だな)、なかなかおいしくて、
テ「師匠、ハラミおいしいっすよ」
志「お、うまい」
テ「ああ、カルビもうまいっすよ」
志「おお、うまいうまい」
と盛り上がってると、
志「おい」
テ「はい?」
志「冷麺が無いぞ」
テ「そんな馬鹿な」
志「きしめんならあるのか?」
テ「そんなことないでしょ」
志「ほんとに無いんだもん」
テ「あら、残念ですねぇ」
志「クッパにする」
S「普通のでいいんですか?ユッケジャンクッパもありますよ?」
志「いや、普通のでいい」
テ「じゃ、僕、ユッケジャンクッパに」
S「はい。私は天むすにしよっと」
テ「天むすがあるのかいっ!」
お腹いっぱいになり、飲みやすいマッコリのおかげで、フラフラにもなり、ホテルにチェックイン。
ただいま午前1時すぎ。
志「じゃーな」
テ「ありがとうございました。では明日はお会いせずに帰ります、すみません」
志「何時の新幹線なんらぁ?」
テ「6時すぎの始発れ」
志「ばっかじゃないのぅ、なんでそんな電車でぇ。じゃな」
テ「おやすみなさーい」
昨夜の千葉の独演会、今夜の彦根の独演会。明日の六人の会の昼夜公演。明後日の文都さんのお別れ会。その次の日のにっかん飛切落語会・・・。
志の輔師匠、どんな体力してんらーーーーっ!!


12月13日(日)てんの会下ざらい
ウィーーー、めざましらーー、ウィーーーっっっ。
6時前に起きる。
起きるというよりベッドから出る。
着替えるというより服を身につけた感じ。
ヨタヨタしながら新幹線のホームへ。
6時30分の、のぞみに乗る。
ウツラウツラして気がつくと東京駅。
フニッ。
よっしゃ、ダッシュで家まで帰るぞーー。
9時すぎに自宅に到着。
ワニッ。
よっしゃ、てんの会の下ざらいの支度すっぞーーー。
三味線三つに着物にプログラムに、えっとーー、あとは何だーー??
とにかく車に積み込みしゅっぱーーーーつ。
目指すは高円寺の氷川神社。
なんか車運転すんの久しぶりだーなー。
10時ちょいに到着。
下ざらい開始。
「てんの会」27番あるんですが、今日はそのうち26番の下ざらい。
って、娘の「末広狩」をやんないだけじゃん。
弾く弾く弾く。
弾くだけなら、まぁ、商売ですからね、なんてことないですが。
お弟子さんのこと考えますからね。
集中しますよね。
大丈夫なのか?うまく弾けるか?
よっし、いけた、次のブロックはどうだ?、あら、こんなとこ間違いそうになったぞ、オラオラーー、がんばれー、ふんばれーーー。
ってな感じで、隣りでフォローしたり応援したりですからね、
20時に終わったころにゃー、あーた、ボーーーッとしちゃって。
ただただお腹が減っておりました。
あんまり減ったので、邦さんたちが飲んでる焼き鳥屋に寄って食べる。
そういえば、今日は日芸の歌舞伎だったなぁ。
鉄平うまくやったかなぁぁぁ。
と思ったころ、鉄平から「無事に終わりました」とメール。
よしよし。
日芸の打ち上げに顔ださなきゃなぁと思いながらも、もう、身体は
「帰りなさい、寝なさい」と言っている。
すまん。
日芸寄らずに帰宅いたします。


12月14日(月)
今日は岡山の稽古の日。
羽田空港。
なんだか久しぶりな感じだ。
気がつくと岡山。
近くていいねぇ。
夕方からお稽古して、今夜は忘年会。
おいしいものごちそうになりました。


12月15日(火)
朝の飛行機で東京へ。
午後から自宅のお稽古日。
「てんの会」寸前のお稽古開始だ。


12月16日(水)
午前中に出かける予定が、夜だったことに気がつく。
なんとも情けない話しである。
じゃ、どーしよーかなーー?
と思っていると、ハタと思いついた。
んじゃ、王先生のとこに行こーー。
三味線の弾きすぎで右手くたびれ果ててるし、肩もおかしいし。
こりゃ、ガツンとやってもらおっと。
泣きのしゃべりで、なんとか予約が取れて自由が丘へ。
僕の両手を取った王先生
王「ああ、つかれてますね」
わかるのかいっっ!!!
わ、アルコールランプに火をつけそうだなぁぁぁ
あ、火、つけたなぁぁぁ。
王「後ろ向いてください」
わぁ、やっぱ火針かよーーー。
ギャーーー
王「はははは」
ギャーーー
ギャーー
ギャーーーーー
王「はい、横になって」
ウゲッウゲッ・・・ハイ。
針うたれて寝てしまう。
起きたころにはスッキリしている。
右手も楽になった。
さすが王先生。
診療所を出たとこで美容院に電話。
これから行っても大丈夫というので一路表参道へ。
今日はついてるなぁ。


12月17日(木)
今日と明日はお稽古日。
「てんの会」ド寸前の稽古。


12月18日(金)
てんの会、ド寸前稽古の日。


12月19日(土)てんの会
荷物と家族を乗せてタクシーで新宿に向かう。
高円寺あたりで娘が発熱してることに気がつく。
こりゃ舞台は無理か。
妻と娘はタクシーを降り帰宅。
ということで、一人、新宿明治安田生命ホールに到着。
10時に会場入り。
楽屋作ったり段取りを。
鉄駒・鉄六・鉄二・鉄華・鉄七と新名取の鉄春を軸にお弟子さんたちがいろいろ動いてくれるので、僕は意外に楽だ。
ありがたいことだ。
終演20時。
邦さんとこも僕のとこも、大きなアクシデントもなく、お弟子さんたちが無事に演奏することが出来た。
感謝感謝だ。
来てくださった方、ありがとうございました。


12月20日(日)
帰宅したのが午前4時。
最終的に、邦さんとこのNさんたちがいて、ウチの何人かがいて。
邦さんとこのお弟子さんは、僕より年上なのです。
ま、邦さんもだけど。
年上の人といると安心じゃないね。
だって、年上の人が先に「じゃそろそろ」って言うからさ。
そしたら、甘かったです。
邦さんの弟子だということを忘れていたようだわ、わたし。
だーーーーれも、「じゃそろそろ」って言わない。
っていうか、いつまで飲んでも「まだ飲み始め」みたいな。
あたしゃ、2時すぎたあたりから、小声で
「帰らしてください」
と言っていたのです。
3時になり、少し大きな声で「帰してください」と言いました。
そしたらやっと邦さんが
「アツシがこんな時間まで付き合うなんて滅多に無いことなんだぞ」
と言ってくれて、はははは、付き合った甲斐があったなと思ったら、
「ところでアツシいたんだな、ははははは」
と再び邦さんが言ったので、
「すみません、お願いですから帰らせてください。お金払いますから」
と頼み、無事に解放されたのでした。
しかも、邦さんとこはまだ帰らないんですよ。
おそるべし50代。
起きたら12時はとっくに過ぎていた。
良かった、今日休みにしておいて。
「てんの会」の翌日って大抵どこかに行く日だったりしたもんだから、今回は意地でも休みにしたかったのだ。


12月21日(月)伝の会 磐城第一高校
6時に起きて支度して上野へ。
いわきまで2時間半、ぐっすり眠りました。
第一高校という女子高へ。
三学年で250人という、ほどの良い環境で育つ子供たち。
ここで伝の会をというご使命でして。
実は、あんまり女子校とか男子校というのが好きではない。
自分も男子校育ちだからか、ちょいと苦手なのだ。
ま、そんな気持ちで出ていったんですが、
ここの生徒さんたちの礼儀とノリの良いことったら素晴らしかった。
オッチャン、感動しましたね。
良いお客様でしたーー。
楽しい伝の会が出来ました。
ただ、今日はものすごく寒かった。
全国的に寒かったのですね。
いわきで3℃だと。
朝とか深夜は3℃になるそうですが、昼間で3℃は無いって。
「今日は寒いですわーー」
とスタッフさんが言っておりました。
まぁ、北に行けばもっと寒いのでしょうねぇ。
明後日、山形ですけどねぇ、寒いでしょうね。
「3℃」(サンド)と聞くと
「ピッチング(ウェッジ)じゃないやつ」
という言葉が頭に浮かびましたが、言いませんでした。


12月22日(火)伝の会 大阪編
羽田から伊丹へビューン。
東京も寒かったが大阪も寒いぞ。
道頓堀の中座くいだおれビルの4階のstudioZAZAというとこで
「伝の会 大阪編」
なんか久しぶりだなーーなんて思っていたら、実に2年ぶりなんだそうで。
ゲゲッ、そんなにやってなかったのかい!!!
そしてまたもや2年くらいは平気で会っていない吉坊くんが立ち寄ってくれた。
いやいや、しょっちゅう同じようなとこにいるのに会えなかったですなぁ。
いやいや時というのは、着々と流れていくものです。
デンキチの計らいで今夜のライヴは「忘年会ライヴ」とし、
お酒あり福引ありの賑やかなものになりました。
吉坊くんには福引の時に出てもらいメッチャ働かせました。
あー、楽しかった。


12月23日(水)鉄九郎ひとりライヴ 山形編
昨日僕は午後の便、今日も11時30分の便。
なかなかゆっくりなので楽なのだ。
それに引き換え邦さんは、昨日は8時の便、今日は8時の新幹線だそうで、ははははは、いやいや、お忙しい方は大変ですなぁ、はははは、なんか、それ聞いただけで元気が出てきますなぁ、いやいや、邦さん、がんばれがんばれーー。

ということで、羽田にお昼すぎに着きまして、山形行きに乗り換えたのです。
いわゆるトランジット。
はははは、荷物は預けっぱなしだし、なんか、楽ーーー。
そろそろ着陸する頃に目が覚めた。
あれっ、どこに着陸だっけ?
窓の外を見る。
真っ白だ。
雪景色だ。
そっか山形に着くんだ。
空から見る雪景色ってのもいいもんだなぁ。
木とか道路とかが黒で、あとはみんな白。
でもよーく見ると、白黒の景色なわけはなく、赤の屋根とか青の建物とかある。
でも白黒に見えるんだーー。
へぇ、人間の目って不思議だなぁ。
ちゃんと水墨画に見えるんだーー。
てなことで、山形到着。
雪は積もってますが降ってはいません。
2時間後くらいに「鉄九郎ひとりライヴ」があるのです。
仙台でお世話になっている劇団紅神楽のみなさまがセッティングしてくださっている。
ありがたいことです。
会館行く途中でラーメン食べて楽屋入り。
会館の中は暖かいねぇ。
雪国はこれがいいねぇ。
外にさえ出なければどこでも暖かい。
紅神楽のお芝居があって僕の出番。
客席にスッと入れないので、お芝居を見られなかったのが残念だった。
さて、僕の出番。
最近「三味線を弾く」ってことが少しわかってきた感じがする。
とくに一人でやるとそれが身にしみるようだ。


12月24日(木)
目が覚めたら10時だった。
ロビーに下りていくと皆揃っていた。
天童のそばを食べさせてくれると言う。
うれしいね。
寒い季節にそばなんていう風情をここんとこ味わってませんからね。
吹きっさらしのホームで立ち食いそばはありますが。
老舗のおそば屋さんに連れてってくれる。
食べさせたいのは「鳥中華」だと言うので一同それを注文。
えっ、中華そばじゃん。
そば屋のラーメンじゃん。
と、思いますよね。
ま、そうなんだけど、これがなかなかウマイのだ。
ここのオリジナルかと思ったら、どうやら鳥中華は山形の名物らしい。
いやいやおいしかったです。
んでもって、また飛行機に乗って羽田へ。
クリスマスのプレゼント買って地下鉄に乗ろうとしたら、なんかがあって止まってるそうな。
そいじゃってんで山手線に乗って帰宅。
ここんとこウチの前の道路を工事していたが、キレイに舗装されていた。


12月29日(火)志の輔らくご安田の会 打ち上げ食事会
26日27日と飛行機に乗り、めでたく80回搭乗。
よく乗ったよく飛んだ。
昨日から3日間はお稽古日だが、今日は夕方でお稽古はおしまいにして、高樹町へ出かける。
鉄六と鉄七も一緒だ。
毎月21日にやっていた志の輔らくごが今年の11月をもって10年の幕を閉じた。
今夜はその打ち上げお食事会。
師匠にみんなでご馳走になるという夢のような夜である。
しかし、師匠ってスゴイなぁ。
お疲れ様と言うのは僕らの方なのに。
腹減らしの我ら3人は早々と料理屋さんについてしまう。
がっついている師弟である。
すると、師匠はもう着いていた。
おやっ!
じゃ堂々と入ろうじゃないかと言うことになりお店へ。
今日は貸切。
30人くらいでしたか、みんな揃ってお食事です。
僕のテーブルはウチの師弟と蓮二さん師弟。
そういえば昨日、河出書房から何か送ってきたので開けてみたら、
今度発売される蓮二さんの写真集『立川志の輔』だった。
ウワーーーッ
買おうと思ってたのに、送ってくれるなんてーー。
と、感動した。
そこからがスゴイ。
せっかくなので蓮二さんのサインを入れてもらおうと持ってきているのだ。
あー、なんと、あざといのだ。
蓮二さんからもらった写真集に蓮二さんにサインを入れてもらおうなんて。
あー、なんて笑えるのだ。
ということで
蓮「何が『ということ』なんですか、しますよサイン」
テ「ありがとう、少しでも高く売ろうと思って(笑)」
蓮「やっぱ金ですか(笑)あ、そうだ、志の輔師匠にもしてもらいましょうよ」
テ「おお、ダブルでサインってのはスゴイなぁ」
蓮「値がはりますよーー(笑)」
  注:この会話は事実なんですが、あくまで冗談ですから。
蓮「志の輔師匠ーー。テツクロさんがサイン書いて欲しいって言ってるんですけどー」
志「てつくろーーーがーー?」
テ「はははは、『愛する鉄九郎へ』と書いていただければ(笑)」
志「ばっかやろーー」
蓮「どうです?」
テ「あっ、『愛する鉄九郎様』になってる」
蓮「これ、スゴイっすねーー」
テ「あー、僕の名前入っちゃったら高く売れないかーー(笑)」
蓮「はははは、師匠ーーー、鉄九郎さん、高く売れないって言ってますよーー(笑)」
志「はははは、どーせ〇〇に持ってっても安いんだぞーー」
  注:もう一度書きますが、この会話は事実なんですが、あくまでも冗談です。
毎月会っていたヒロさんとも、なんだか久しぶりな気がする。
これから毎月会えないと思うと淋しくて仕方がない。
そんなことを立ち話していたら蓮二さんがポラロイド撮ってくれた。
蓮「貴重ですよね、このツーショット」
ヒロさんのショットは貴重だけど、僕なんかいないほうがと思いますが、たしかに、ヒロさんと二人で写真撮ってもらうことは珍しい。
うれしい一枚です。
最後に師匠がお礼の言葉を述べて、「まず鉄九郎しゃべれ」と言うので、挨拶しました。
みんなは10年間、僕はたったの5年間だったけど、その間に鉄駒も鉄六も鉄七も育ててもらい、ロビーゲストは3~4回やらせてもらった。
今の僕はこの5年間から生れたようなものであり、ウチの一門と言える弟子が育ったのもこの5年間。
終わってしまうのはとても悲しいけど、僕の中では、安田で弾く「中の舞」が毎回毎回とても恐かったので、それがなくなるというのは、実は、ホッとしている。
蓮二さんもヒロさんも挨拶して落ち着いた頃、
蓮「ほら(写真)」
テ「えっ、どしたのこれ」
蓮「さっき喋ってた時の、泣きそうになりながら」
テ「あらっ」
素晴らしい演者の方たちと優秀なスタッフの方たちとで10年間やってきた「志の輔らくご21世紀は21日」。
このメンバーと、今度はどこでご一緒することができるのか、今から楽しみだ。


12月30日(水)
2009年最後の稽古日。
いやいや、よく稽古した稽古した。
こんな日までお稽古日にする僕も僕だが、ちゃんと来るお弟子さんたちも大したもんだ。


12月31日(木)2009~2010
2009年の最後はダブルヘッダー。
まずは巣鴨スタジオフォーへ。
あらっ、すごい風、吹き飛ばされそうだ。
最近、体重重くなったから吹き飛ばされはしないのだが、ベスト体重に戻ったアカツキにはきっと吹き飛ばされるであろう突風と戦いながらスタジオフォーへ。
「スゲー風だったぜ」
とスタジオフォーのドアを入ったところでフッと息をついているところへ志遊さん登場。
そして志雲さん改め雲水さん登場。
そしてヨタヨタと志の輔さん登場。
楽屋入り。
そういえば志の輔師匠の巣鴨の会で出囃子弾くの久しぶりじゃないかなぁ。
ずーっと来られなくて、鉄六にやってもらってたような気がする。
おお、今日は弾けるんだな出囃子。
大晦日に巣鴨で弾けて良かったなぁ。
開演。
トントンと高座は進み、雲水師匠が楽屋を出ていったとき、
志の輔師匠が
「なぁ、師匠ー」と僕に呼びかけた。
あれっ?
前座さん志遊さん雲水さんと高座に上がれば、次はもう志の輔師匠でしょ、ま、まさかっっ!
「ちょっとやってきてもらえませんかねー」
でました。
大晦日のドタ出演。
「なぁ」と気安く声をかけ
「師匠」と丁寧になる。
この絶妙のアンバランスな掛け声。
さすが志の輔師匠。
などと感心してる場合ではありませんぞ。
雲水師匠の出囃子を弾き終わった僕は、あわてて袴をはき、
何やろっかなぁぁと考えるのでありました。
考えなくてもいいんです。
「いつもの」をやれば。
でもね。
スタジオフォーで一人で舞台に上がるのって初めてかも知れない。
一回くらい上がったかなぁ?
しかも大晦日。
なんかいつもと違うことできないかなぁって思っていたのです。
で、チラッと鉄六に話したら
「やんなさいやんなさーい」
と言うので、あわてて考えて、あわてて舞台袖へ行きました。
いやいや、大晦日になってもバタバタと。
10分やろっと決めて舞台に上がる。
下りてきたら10分だった。
よしっ!!!
いやいや楽しかったーーー。
師匠はさすがだなぁ。
この楽しさを味わせてやろうと高座に上がらせてくれたんだなぁ。
しかも、寸前に「行け」って決めるとこなんざ優しい。
師匠が終わり、席亭が用意してくれた振る舞い酒で、師匠たちやお客様と一緒に乾杯。
そして楽屋で打ち上げ。
ちょいと経って、僕と鉄六はお先ににぎわい座へ向かいます。
志の輔師匠は出番が最後の方だからゆっくり来れば良いのです。
六「タクシーで大塚に行きましょうよ」
テ「いいんだ、都電が来るんだろ。ナビで調べたんだろ」
六「だって寒いじゃないですかーー」
テ「そこの駅に着く、都電来る、みたいな段取りだから大丈夫だ」
テ「池袋から湘南ラインだぞ。お腹減ったな」
六「おそばとか行っちゃいます?」
テ「そしたら湘南ライン乗れなくなっちゃうじゃないか」
六「どっちですか?」
テ「そっちじゃない、一番奥のホームだ」
六「あ、こっちにまだホームあるんだ」
テ「ここの立ち食いそば屋でしょっちゅう食べるんだぞ」
六「食べて行くんですか?」
テ「今は食べないよ、湘南ライン・・・」
六「はいはい」
テ「グリーンのとこに行け」
六「どこですかー?」
テ「その販売機にスイカを入れればいいんだ」
六「ワーー、初めてやるーーー」
テ「浮かれたから暖かくなったろ」
六「あー、さぶっ」
テ「ほら、グリーンはもっと向こうに停まったじゃないかーー、走れーー」
六「これ、乗ったらどうするんですか?」
テ「座った席の上に赤いランプがあるからそこのスイカマークに自分のスイカをペタッてすればランプが緑に変わってできあがりだ」
六「へぇ、スゴイなぁぁ」
テ「どっこいしょと」
六「ほらっ、師匠っ、ペタッとしないとーー」
テ「あ、そうだった、こうやるんだ、ペタッ」
六「ほんまやーー」
テ「嘘は言わん」
六「なんか温かいものでも飲みましょーよー」
テ「うーーん」
六「えっ、ビール行っちゃう?行っちゃう?」
テ「行かないよー、出番前だぞ」
六「だってさっき日本酒で乾杯して、楽屋でビール飲んだじゃないですか」
テ「ううっ、たしかに・・・・でもな、それはさっきの出番の打ち上げだ。今は次の出番の前だ、そういうことが・・・」
六「温かいの飲みたいなーー」
テ「聞いてないだろ」
楽屋入りするとすぐに邦さんも到着。
志の輔師匠も着いたらしい。
早いな。
5年目の「にぎわい座カウントダウン」。
もう5年かぁ。
5年間、紅白歌合戦はおろか大晦日のテレビを見てないなぁ。
観なくてもいけるもんなんだなぁ、
と妙なことに感心する。
今年のトリは先日亡くなった文都師匠。
7月に録った映像で見事にトリをとった。
みんなが泣いた。
今夜もきっとここに来てるだろうってみんなが思った。
今まで、一度も無事にカウントダウンされたことがなかったが、今回は初めてバシッと決まった。
きっと文都さんが紐をひっぱるタイミングを計っていたんだろう。
みんなで「あけましておめでとうございまーす」
そしてみんなで乾杯があり、出演者がそれぞれ抱負を言って無事に終演。
今年が始まっていた。
舞台の上で年が替わる。
芸人にとっては恵まれたことだ。
2010年寅年。
どんな年になるのだろうか?
幕が下りて舞台で手締め。
みんなのため、舞台人のため。

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