7月1日(木)志の輔らくご「ビギン・ザ・ビギン」初日
ル・テアトル銀座を「ルテギン」と言うことを今回初めて知った。
ルテギンに入りサウンドチェックをしていると志の輔師匠登場。
まずは二席目の噺の中での音のリハーサル。
そして、一席目と二席目のツナギに三七郎くんと大薩摩をやることになった。
唄方一人三味線方一人が下手に出ての立奏である。
普通の大薩摩ではなんなので
テ「師匠、毎回歌詞を考えてください」と言った。
楽屋で歌詞を考える師匠。
口からポンポン出てくる言葉を書きとる僕。
志「これでいいだろー」
テ「へーーーい」
僕の楽屋に戻り三味線片手に作曲。
三七郎くんと合わせる。
ほどなく開演時間になった。
一席目の出囃子を弾き終え、楽屋に戻ってくると、もう一度三七郎くんと稽古。
一席目が終わる。
僕らは下手に出て行く。
演奏する。
引っ込む。
二席目の出囃子弾く。
二席目の最後あたりで音入れる。
二席目終わる、休憩。
三席目の出囃子弾く。
そんな感じの六日間になる。
終演後打ち上げ。
自分の作った歌詞がこんな感じになるんだと志の輔師匠も納得し、
志「あそこんとこはもっとこんな風に」とアドバイスをくれる。
7月2日(金)志の輔らくご「ビギン・ザ・ビギン」
師匠の楽屋入りを待ち構えて歌詞作りを促す。
昨日とはまったく違うものになった。
寸法も長くなってきた。
7月3日(土)志の輔らくご「ビギン・ザ・ビギン」
師匠の楽屋で一緒に歌詞をこしらえたあと、自分の楽屋で作曲し、
三七郎くんと稽古している時、師匠が入ってきて
「やっぱここはこう言おう」「ここは唄わないでしゃべっちゃえ」
「この時こういう動きがいいよ」
と、三七郎くんをうれしそうに演出してくださる。
三「だんだん自分が長唄じゃなくなってきた感じがするんです」
志「はははは、それでいいのだ」
三「責任とってくださいね」
志「はーはっはっはーー」
去っていく師匠の後ろ姿は楽しそうである。
7月4日(日)志の輔らくご「ビギン・ザ・ビギン」
昨日中日を迎えたので、今日から後半戦。
志の輔師匠が歌詞を作る時間がだんだん開演間近になってきた。
今日なんて、開演10分前から歌詞をこしらえ始める。
開演5分前には舞台袖に行かなきゃいけないので
作曲する時間はたったの5分。
三七郎くんも歌詞を毎日和紙に書くのであわただしい。
出囃子弾いて帰ってくると袴つけながらお稽古する。
師匠の一席目も快調に飛ばすようになってきたのであっという間に降りてらっしゃる。
バタバタすること風の如し。
大薩摩が終わると、一日が終わった気分になる。
こういうときは危ない。
他の三味線でとちらないようにしなければと気を引き締める。
そんなこんなで終演するとガクッと来る。
志「疲れたな」
テ「疲れましたね」
志「とにかくなんか食おう」
と、いつものように師匠たちと僕たちとで出かける。
7月5日(月)志の輔らくご「ビギン・ザ・ビギン」
千秋楽は明日だが、今夜が打ち上げ。
スタッフ一同で飲みに行く。
たまたま車で来ていた僕。
帰りはスゴイ雨になった。
板橋区、練馬区がスゴイ土砂降り。
池袋を過ぎたあたりから、道路はプールのようになっていて、シャバシャバ言わせながら帰宅。
ふー、無事でよかった。
7月6日(火)志の輔らくご「ビギン・ザ・ビギン」千秋楽
千秋楽。
六日間というのが思ったより長かった。
一か月とは思わないが二週間くらいはあった感じ。
ま、それだけ密な時間だったのでしょう。
それでも、千秋楽となるとちょいと淋しいのだ。
終わってしまう淋しさと無事務めあげたという安堵感。
淋しさの方が勝っているのだ。
昨日打ち上げをしたが、やっぱり今夜も千秋楽の打ち上げ。
結局毎晩飲んだことになる。
7月7日(水)那覇
連日の飲みとルテギンが終わった安堵感でフラフラになりながら羽田空港へ。
まだ今月は始まったばかり。
このくらいでフラフラしていたらイカンのだ。
目が覚めると那覇に到着。
稽古してカルチャーセンターやってホッとして那覇空港へ。
いつものラウンジでビールを飲む。
那覇に毎月通っているが日帰りは初めてだわ。
7月8日(木)志の輔独演会 新潟
朝、電話が。
志「マバシくん」
テ「おはようございます。ルテギンありがとうございました」
志「ちょっと早くに東京駅に来ないか?」
テ「もちろんまいります」
15時すぎの新幹線で新潟に行くことになっている。
早めに東京駅大丸に行くと、志の輔師匠はもう買い物をしていた。
よっしゃー、ワイも買うぜーーー。
新潟で志の輔独演会。
終演後はお寿司屋さんへ。
今夜は四人で食事。
大勢で食べるのも良いが、こじんまりと食べるのもおいしい。
日本酒が豊富なので、順番に飲んで行く。
楽しい夜であった。
7月9日(金)
ロビーに降りて行く。
タクシーで新潟駅に。
志の輔師匠はここから富山へ向かう。
僕は東京へ。
志「じゃな」
テ「はーーい」
気がつくと東京駅だった。
自宅に帰る。
今夜は「テツクロの会」。
支度をしたいのだが眠気と疲れでボーっとしてしまう。
なんとか15時にスタジオフォーに到着。
鉄駒・鉄六とウチのスタッフが準備をしていた。
鉄駒も鉄六も紋付姿で舞台を作っている。
当たり前に働く姿が、我が弟子ながらアッパレだ。
三七郎くんが来てリハーサル開始。
食事して帰ってくると開演時間になる。
大雨になっている。
僕のせいと言うわけではないがお客様に申し訳ない。
足を運んでくださった方たちへ楽しいライヴをと強く思う。
終演後、おでん屋で一杯。
久しぶりにお弟子と飲んだ。
7月10日(土)仙台
まったくあわただしい日程だ。
今日は気がついたら仙台にいた。
18日19日にやる紅神楽の公演のリハーサル。
7月11日(日)仙台
昨日はよく寝たので10時から活動。
駅前のパルコのバーゲンを覗く。
グッとこらえて買わなかった。
7月12日(月)
稽古日
7月13日(火)
「岡山空港上空が強風のため・・・」という条件付の離陸。
行けーーっ!!
と気合を入れて座っていると無事に到着。
無事にお稽古も出来、無事にホテルにチェックイン。
無事というのがなんとありがたいことか。
7月14日(水)
帰りも無事に飛行機は飛び、予定時間に自宅に到着。
お昼からお稽古開始、今日は稽古日なのだ。
しかし、眠い。
おなかもすいた。
お稽古のちょっとした隙に自転車乗って中華屋さんへ。
食べ終わりお勘定しようと思ったら財布が無い。
「あっ、自転車のカゴん中だ」
あわてて取りに行くが・・・・・・。
泣きべそかきながら交番へ。
テ「財布とられちゃった・・・」
警「ありゃっ」
7月15日(木)
お盆ですな。
財布を無くしたのでブルーなんですが、ま、とにかく仕方がないということにしなければいけない。
7月16日(金)
朝、邦さんが来る。
8月2日の伝の会の練習。
その後お稽古日。
7月17日(土)仙台
紅神楽公演のリハ。
芝居に音楽をつけていくのは楽しい。
作曲もする。
作曲だらけかもしれない。
今夜は板倉で志の輔らくごがある。
鉄六に行ってもらっている。
7月18日(日)仙台
昼夜公演。
最近気に行っている定食屋がある。
「半田屋」
こちらでは有名だ。
なによりご飯がおいしい。
お米がおいしいって幸せなことだ。
7月19日(月祝)仙台
昼夜公演。
全四公演を無事に終わる。
ホッとする。
今日は巣鴨で志の輔らくご昼夜。
鉄七に行ってもらっている。
六も七も志の輔師匠に育ててもらっている。
なんとありがたいことだ。
志「七も無事に弾いたから安心しなさい」
と電話までくださる。
こんな大人になりたい。
7月20日(火)那覇
今日は那覇に来た。
「沖縄は暑いでしょー」とよく言われるが全国どこでも暑いっすよ。
ていうか、朝も深夜も気温が下がらない東京に比べれば、常夏だって過ごしやすい。
7月21日(水)那覇
こっちで気に入っていた定食屋さんが、最近様変わりしてしまった。
ちょいと残念なのだ。
7月22日(木)
お稽古日。
夜になるとカエルが庭に出てくる。
最初はドキッとしたが最近では「いるかな?」と気にするようになってきた。
余所から帰ってきた晩、姿を見かけるとホッとしたりする。
あのカエル、昼間はどこにいるんだろ?
7月23日(金)志の輔独演会 北野文芸座
7時前に東京駅に着いた。
「越後そば」に行ったらまだやっていなかった。
そっか7時からかと思い、ちょいと待つ。
7時すぎても開く気配がない。
うーん、7時開店ではないのか・・・
長野新幹線のホーム。
喫煙室に入ろうとしたら中の人と目が合った。
テ「おはよーございます」
志「そば食おうと思ったらやってなかった」
テ「越後そばでしょ、仕方がないので大江戸そばに行きましたよ」
志「そんなのがあるのか!!」
テ「ご存知なかったですか」
志「弁当買って行こう」
お稲荷さんとお茶を買った志の輔師匠と二人で、朝早い新幹線に乗る。
夕方、北野文芸座近くまで帰ってきた。
いつものおそば屋さんにより、師匠はホテルへ、僕はそのまま楽屋へ。
楽屋に入るとちょうどサウンドチェックの時間。
この会場は気持ちがよい。
終演後の打ち上げの後、師匠に連れられいつもの焼鳥屋さんへ。
師匠がいろんなところで話すものだから
「『志の輔さんの高座で聞きました』とやってくるお客さんが増えた」
とうれしそうにオヤジさんが話している。
ここの焼鳥は本当にうまい。
師匠と僕は取り合って食べるほど。
帰りのタクシーで酔っ払った師匠は
「みーーんないいやつばっかりだーー」
とうれしそうに叫んだ。
その叫びを一人で聞けた僕はジーンときた。
志の輔師匠が一番「いいやつ」だから。
7月24日(土)志の輔独演会 小諸
志「ブラッとするから10時にフロントで」
テ「はい」
その電話で起きた。
急いで支度してロビーへ。
15年以上毎年通ってきている志の輔師匠。
この街が大好きなのだ。
小一時間ブラっとしてから小諸に向かう。
草笛でおそばを食べ会場へ。
なんだかものすごくお腹がすいていた。
師匠もそうらしい。
そういえば、昨日からご飯を食べていない。
あーお米が恋しい。
でも、おそばもとてもおいしかった。
満足。
終演後、師匠のお友達がやっているワイナリーへ。
これがとても素敵なところで、見事な景色とおいしいワイン。
料理も美味である。
帰りの新幹線に乗るべく上田駅に向かうタクシーの中で
志「一本遅い新幹線でも良かったんだけど、この新幹線にして良かったな」
テ「どうしてですか?」
志「もうフラフラだもの(笑)」
テ「はははは、新幹線でぐっすり眠れますよ」
志「そうだな」
新幹線に乗る。
志「ビール一杯飲んで寝よう」
テ「はい、おつまみは要りませんね?」
志「食べられないだろう」
テ「そうですね」
志「あの、すっごく冷えてるビールを二本とお腹にこたえない塩っ辛いもの」
テ「食べるんじゃん(笑)」
テ「あれだけワイン飲んでもやっぱりビール飲むんですね」
志「そりゃそうだろ(笑)」
テ「はははは」
志「だからさ、お前、早く100を切らなきゃダメなんだよ」
テ「はい」
志「100を切るとさ、今の一打が良かったのか悪かったのか、悪かったとした
ら何がいけなかったのかとかさ、いろいろわかってくるんだから。それからですよ」
テ「はい」
志「もう少し飲む?」
テ「大丈夫ですか?」
志「お前はもうダメか?」
テ「いや大丈夫です」
志「うん」
テ「さっきみたいに冷たいのを二本ください」
志「あ、金」
テ「大丈夫です、スイカで払えますから」
志「何もお前が出さなくたっていいーー」
テ「いやいや、ほんとに」
志「スイカってなんだ?」
テ「師匠は必要ないですものね」
志「なんで買えるんだ?」
テ「え?お金が入ってるからですね」
志「どっかから借りてるってことだろ」
テ「ま、クレジットカードみたいなね」
志「サインはしなくていいってことか」
テ「簡単ですよね。僕のはJALスイカカードなんで
これで飛行機も電車も乗れちゃうんですよ、えへへ便利でしょ」
志「そーかー?」
テ「ま、師匠は要らないですものね」
志「もう飲ませないでくれ」
テ「はい、もうおしまいにしましょ、あと30分ありますから寝てください」
志「うん、じゃ寝る」
東京駅で師匠を起こす。
お弟子さんたちが迎えに来ている。
車でもうひと寝入りで家だな。
僕は地下鉄に乗って帰宅する。
やっぱり師匠にスイカはいらない。
7月25日(日)
朝、邦さんと稽古。
そして、片づけの先生コンマリさんが来宅。
稽古場の片づけは「これで良い」とほめてもらった。
クローゼットもオッケー。
今日は娘の部屋中心にやってもらう。
7月26日(月)
稽古日。
そろそろ来月のお稽古日を決めなければならないが
バタバタしているうちに決められず。
7月27日(火)浜松
浜松に着いたらなんだか疲れている。
いつもの予定をやめてちょっと休む。
午後から稽古開始。
稽古後の予定もやめて、軽い食事をとり、早々と寝ることにする。
7月28日(水)浜松
よく寝たら元気になった。
単なる寝不足だったようだ。
お稽古して最終の新幹線に。
今月はいろんなところに行ったがこれでおしまい。
あとの数日は自宅で過ごせる。
といっても今月はあと三日かーーーい!
7月29日(木)
朝、邦さんと稽古。そのあと稽古日。
やっとこさ来月のお稽古日を決定。
7月30日(金)
渋谷で鉄六と待ち合わせて西麻布へ。
8月2日の下ざらい。
直吉さんと「吉原雀」を。
気持ちが良い。
帰宅してお稽古日。
7月31日(土)伝の会 白瀧編
お弟子さんのお稽古を終わったら結構な時間となった。
場所が近所なのでのんびりしすぎたか。
あわてて支度して白瀧へ。
ここでの伝の会もよく続いている。
だんだん楽しい空間になってきた。
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