青?裸々な日常
2011年7月1日~
第188号 東京から離れっぱなし。



1日(金) 志の輔らくご リバイバル初日
初日というのは主役の志の輔師匠はもちろんのこと、関わっているものにとっても
緊張感があふれているもんで。

今回は演目は決まっているし、演奏するものもとりあえずは決まっているしで、
楽なはずなんだけれども、
「いや、こんなに簡単なはずではない」
と、心のどこかで思っているのか、ビリビリします。

サウンドチェックして、息抜きに外に出ていたら
師匠が到着したとの連絡で会場に戻り、オープニングのリハーサルを何度もやります。

正解はいくつもある、そのどれを取ればよりよいか。
師匠はいつもそれと戦い回答を出し、ゴーサインを出します。

そして初日があきます。
素晴らしい初日でした。
五日まで、ル・テアトル銀座で。


2日(土) 志の輔らくごリバイバル 二日目
昼夜公演。
公演前にもう一度オープニングの確認と直しを。
今回、オープニングの演出で、映像と二番太鼓がからむ。
客席で見ていて、その一番気持ち良い感じはどれなのかをいろいろやってみる。
正解はない。
けれど、「これは違うな」というのはある。


3日(日) 志の輔らくごリバイバル 三日目
「これだな」というのは昨日のうちに決まった。
昨日の昼夜、そして今日の昼夜。
師匠は元気に高座をつとめている。
僕は疲れ気味。
なんなんだろ?
眠くてしょうがない。


4日(月) 志の輔らくごリバイバル 四日目
四日目にして6公演目。
いつものように回を追うごとに、すこーしずつ長くなっていく志の輔らくご。
今夜は全体の打ち上げをした。
初日の全体打ち上げと今夜で2回する。
そりゃそうですな、初日と楽には打ち上げしますね。
ただ、毎晩師匠と飲んでますね、なんだかんだと。
うれしいことですね。
ちょいと体重が増えますけど。


5日目(火) 志の輔らくごリバイバル 千秋楽
朝早く出てそのままルテギンに入った。
千秋楽。
個人的なことだが三味線弾いてて
「あ、いま出来た」って感じたのが5公演目。
それ以降は大丈夫。
自分の中のことです。
簡単に言うと、慣れるまで、わかるまで5回かかるってことです、僕は。
僕の中で「はい、これで大丈夫」って言葉が聞こえたら、もう何も怖くなくなる
のです。
でも5回もかかるんだなぁ。

千秋楽も打ち上げをしました。
志の輔師匠、とてもご機嫌でなによりでした。
さぞお疲れになったと思います。
スゴイ方ですなぁ。

6日(水) 那覇稽古
志「よぉ」
テ「もしもし、昨日はありがとうございました」
志「ああ、なんだ、うるさいな」
テ「今、那覇空港に着いたとこなんですよ」
志「はははは、那覇に行ったのかー、何だお前!ははは」
フットワークのすごさを褒めていただきました。

7日(木)
お稽古日。
今月最初ですな、自宅の稽古。

8日(金) 
朝、千葉に集合。
この暑い中、元気に屋外で活動する我ら四人。

9日(土) 志の輔独演会 秋田
朝、羽田空港に集合。秋田空港へ。
志「えっ?初めてじゃないぞ」
テ「僕初めてですよ」
志「バカっ、昨年連れてきたぞ」
テ「ええっっっ!!」
志「ったくー、もーダメだな、たるんじゃってなー」
テ「あらっ、すみません、てっきり初めてだと思ったです」
志「てーぃ、しっかりしろっ!」
秋田の独演会が今年で三回目だとは知っているくせに、
自分が連れてきてもらったことをすっかり忘れていた。いかんいかん。

10日(日)
朝6時20分発の東北新幹線。
志の輔らくごルテギン関係者で宇都宮へ。いやいや、バカに楽しかった。

11日(月)自宅の稽古日。
夕食は生姜焼きにした。

12日(火) 浜松稽古
新幹線に乗ると広い空があらわれた。なんだかホッとした。気持ちが落ち着く。
空って大事なんだなぁ。。

13日(水)
お稽古日。
暑い。
お弟子さんたちも必死に来てくれる。
ありがたいことだ。

14日(木)
宇太も暑さでデレーーッとする中、かるーく掃除。
さて今日も始まる。
今日も暑い中、みなさん通ってくることだろう。

さ、はりきって参りましょ。

今日も35℃を越えた練馬でございます。
水分を取りながらがんばりましょう。
塩分はいりません。

いらないってことじゃないけど、運動して大量の汗をかいた時なら塩分いりますが
生活していてかく汗くらいでは塩分はいらないと言われています。

水です。

水っす。

伽羅は水が大好きです。
しょっちゅう飲んでます。
手をつけてびしょびしょにしてそれをなめたりしています。

水分を取りましょう。


15日(金) 徳島
スクハジがライヴで「喜三の庭」をやる。
何回か見ているが今日が最終チェック日。
長唄は楽しい。

羽田空港へ。
夕方というのがまた良い感じだ。
のんびりとしていていいね。
機内でぐっすり昼寝して徳島に着いた。

まだ明るいぞ。
なんだかもうけた感じだぞ。
10か月ぶりに来た。
最近では年に一度来るのがやっとだ。
それでもこっちの皆に会うと、昨日も一緒だった気になる。


16日(土) 徳島
二日酔い。
明日の「ゆかた会」の下ざらい。
たくさん弾くぞ、楽しいぞ。


17日(日) 徳島
三時くらいに寝たのかな。
フラッとするが二日酔いほどではない感じだ。
本番。
そして宴会。
もちろん二次会。
どっこいしょと三次会。
さらに続く。


18日(祝)
機内で死んだように寝て羽田へ。
台風が近づいている徳島は雨だった。
東京はまだ降っていない。

帰宅する。
今日はこれから稽古である。
なぜだか7月は忙しい。
なので稽古日を取るのも大変だったりする。
がんばるのである。


20日(水)
ゆっくり漂っている台風6号。
あんまりゆっくりいすぎて、ついに僕の仕事に影響が出た。

今日、第三水曜日は沖縄に行く日なんだが、行かれなくなった。
一昨日から天気予報見っぱなし。
いつまでたっても台風がいなくなんないんだもの。
ついに今日はあきらめました。

ゆっくり休みます。


21日(木) 志の輔独演会 仙台


志「お前、三回来てんだな」
テ「ありがとうございます」
志「仙台、三年目かぁ」
テ「じゃ支度します」
志「はい」
と自分の楽屋に戻り支度をして舞台袖へ。
まずは前座さんが出て次が師匠、休憩をはさんで

僕が出たり出なかったりで師匠、というプログラムの予定。
前座さんのあと「梅は咲いたか」を弾く、師匠が舞台に出て行く。

楽屋に戻ると志の太郎くんが来て
「『ハナコ』をやったらいつものプログラムで。

もし一席目を『ハナコ』以外のものをやったときには、

いつものプログラムではなく、次に鉄九郎さんが出てくださいって。

そしてそのあと師匠が上がってから仲入りです」

おおおっ、なんと!!
仲入り後にもう一席やるということは志の輔師匠、実に、三席やろうということ
なのか。
す、すごい。
被災地でもある仙台。
志の輔師匠は3.11からこっち、各地での公演の最後に「みなさんの気を東北に」
と一本締めを続けている。
そして初めての大きな被災地での独演会。
千人ものお客様。
さまざまなお客様がいらっしゃるだろう。
とにかく笑っていただきたい、楽しんでいただきたいという志の輔師匠の全力投球。
やっぱりこの人スゴイ。

そして、一席目は「ハナコ」ではなく「親の顔」。
よし、次は僕の出番だ。
舞台袖で師匠とすれ違う時
志「プログラムが変更になったことを言っといてくれ」
テ「はーい」

弾く。
「僕の後にもう一度師匠が出てまいります。そして休憩があってまた師匠です。
どうやら今夜は師匠、三席やる感じです」
どよめく会場。
そして二席目
志「そんなことで三席やろうかと・・・」
ものスゴイ拍手。

終演後、楽屋でくたびれ果てる師匠。
そして打ち上げへ。
最後にお寿司をちょいとつまむ。
志「お寿司もいいけど、やっぱあれだよな」
テ「お寿司おいしいですよ」
志「おいしいけどさ、やっぱあれだよ」
テ「やっぱりあれっすか」
志・テ「ラーメンだな」
テ「じゃ仕方がありません。これからラーメン屋さんに行くことになりますの
で、どなたかおいしいラーメン屋さんを探してください。ここから歩いて行け
る所で」
A「○○ラーメンがいいんじゃないかな」
B「××ってのは?」
志「塩ってのはどーだ」
テ「よござんす」
C「塩はちょっと」
テ「塩はちょいと難しい感じですよ」
志「なんでだよ」
テ「あっさりした感じがいいんじゃないかと」
志「あっさりがいいね」
B「△△ラーメンがいいんじゃないですか、さっぱりで」
テ「支那そばのような」
志「いいねー」

ということで、今夜もやっぱりラーメンで。


22日(金) 
昨夜
「明日は起きるまで寝るーー、朝飯一緒に食おう、電話するーー」
と言っておやすみになった志の輔師匠。
ここは仙台、今朝8時に電話がかかってきて朝ご飯を食べに階下へ。

志「何時に東京にいればいいんだっけ?」
テ「三時半にはいないと」
志「そっか、じゃダメなんだよな」
師匠はこれから石巻の方へ向かう。
僕もご一緒したかったが、時間的に無理なのだ。

志「じゃな」
テ「はい、では明日、長野新幹線で」
仙台駅で僕をおろしてくれた。
師匠は被災地を回って今晩東京に戻るという。

自宅に着く。
鉄六と鉄七、それに鉄文智さんが来る。
26日の「鉄九郎のわがまま」のリハーサル。
ざっとやるといい時間になった。
これから近所の白瀧呉服店で伝の会がある。
邦さん到着。

久しぶりの伝の会。
楽しいぞ。


23日(土) 長野
朝早い長野新幹線。
志の輔師匠と二人。
この二人旅はすっかり定着しようとしている。
長野に着く、お迎えが来ている。
車に乗る。
着く、運動する、飲む、食べる、運動する、飲む、車に乗る、善光寺まで戻ってくる、
古本屋に寄る、打ち上げ会場に行く、飲む、食べる、さわぐ、飲む。
最後は藤屋さんのバーで一杯飲んでいる。
志「もーダメだ、寝るぞ」
テ「そーひましょ」
志「あーー、楽しかったーのだーー」


24日(日) 志の輔らくご北野文芸座
朝早く起きる、迎えが来る、車に乗る、バカなこと言ってる間に着く、運動する、
ホテルに帰る、一寝入りする、起きる、北野文芸座に行く。
14時開演。
志の輔師匠絶好調。
帰りの新幹線でぐっすり寝る。
志「じゃーな」
テ「ありがとうございました」
志「はーーい」


25日(月)
久しぶりに東京にいる感じ。
出かけて帰ってくる。今夜はいるので夕飯を作るぞーー。
良いストレス解消になるのだ。
ま、さほどのストレスもないけれど。


26日(火) 鉄九郎のわがまま vol.10
今夜は浴衣で演奏した。
長唄ばかりをやった。
なかなかおもしろかった。
こういう面白いことをやっていれば良いのだ。
良いメンバーと。


27日(水) 岡山
お稽古日。
ここんとこ浜松経由岡山だったので新幹線だったが、
久しぶりに飛行機でやって来た。
空港内外がちょいと変わっていた。
時の流れを感じますな。

今夜の宿はいつもの岡山駅近辺ではなく倉敷駅前。
倉敷で泊ったことは今までにもあるのだが、なんか異国の地に来たようだ。
ぐっすり寝る。


28日(木) 倉敷ひとりライヴ&志の輔らくご
無限舎というライヴハウスで一人ライヴを。
ひとりでやるのが大変で「鉄九郎のわがまま」などはグループを作ってしまって
いる。
そんなこんなでまったくひとりでやるのはかなり久しぶり。
それでも良いお客様に恵まれてなんとか務めることができた。

そして岡山へ。
ホテルにチェックインして返して岡山駅へ。
ホームに着いた時にちょうど新幹線が入ってきた。
新幹線に乗ってるはずの僕がホームに現れたもんで
出迎えのイベンターの人たちがびっくりしている。

じゃーーん、志の輔師匠登場。
志「稽古してたって?」
テ「はい」

一息ついたところで楽屋入り。
タクシーがやけに混んでいた。
志の輔師匠の独演会も今年で四回目。
最初の年に鉄六、次の年に僕、そして昨年が鉄六で今年が僕。
六・九・六・九という順番で連れてきてもらっている。

打ち上げの時、師匠のお友達が
「来年は鉄六さんですねきっと。たぶん、鉄六さんの方が人気があると思います」
と、悲しいのかうれしいのかわからないことを言われた。
ははははは。


29日(金)
志の輔師匠のお友達のNさんとOさんが迎えに来て
ホテルを早くに出発。
夕方岡山に戻ってきた。
中古レコード屋とビックカメラに寄る。
そして素敵な料亭でご飯をいただいた。
あわただしい食事と打ち上げが続いている。
お腹もくたびれているだろう。
そこへ上等な食べ物をゆっくりといただいた。
お酒もゆっくり飲んでゆっくり酔っ払った。
いやーー、極上の時間でした。

しかし、それでは終わらない。
志の輔師匠と僕はこれから大阪に向かう。
もうヘベレケなのに。
岡山駅から新幹線に乗るのだ。
志「へつくろぉーーー」
テ「ふぁーーーい」
志「しゃ、しゃっみせっん持ったくわーーー」
テ「ふぁーーいもちまひたーー」
志「にもぉつはーー」
テ「ありまーーふ」
志「よぉぉぉひーーー」
カバンをたすき掛けした師匠と大荷物を持った僕の会話に
道行く人たちは微笑せざるを得なかった。
小一時間寝た。
新大阪に着いた。

今朝から志の輔師匠のお弟子さんはいない。
東京に帰った。
師匠の荷物は当然僕が持つ。
そんなことは慣れている。
なにせ内弟子あがりだ。
弟子としての気配りはかなりの心得がある。
自信も持っている。
ただ、久しぶりだ。
ここ何年もカバン持ちをしていない。
タクシーに乗って志の輔師匠が泊るホテルへ。
僕はそのホテルの近所のホテルに泊ることになっている。
部屋に荷物を運ぶ。
ビールで乾杯。

志「いやぁ楽しかったなぁ」
テ「楽しかったですねぇ、ごちそうさまでした」
志「明日は7時ちょいにここのロビーでな」
テ「はい、ではおやすみなさい」

自分のホテルに向かう。
夜風が気持ち良い。
ふーーー、今夜はゆっくり寝よう。
充分にホッとしたころ電話が
志「ああ、中古レコード屋で買ったのはどこ?」
あああああっっっっっ!!!!
Nさんの車ん中だーーー!!!
降ろし忘れていたーーーー。。。

30日(土)
「兄さんは?」
「いま来まーす」

ホテルのロビーでの会話。
志の輔さんを「兄さん」と呼ぶのはもちろん談春さん。
そしてTさんもいらしている。
さぁ、この四人で出発です。
仙台以来のこの四人、なかなか楽しい一日を過ごさせていただきました。

大阪まで戻ってきて高級そうな焼肉屋さんへ。
なんと、レバ刺しやユッケがある。
おお、なんと久しぶりだ。
マッコリもうまい。
いやいや本日も良い一日であった、満足ーーー。
談春さんたちと別れ、志の輔師匠の部屋まで荷物を持って行き自分のホテルに向
かう。
いやはや、お腹が苦しいーー、食べすぎだーー。
電話が。
志「あのさぁ・・・・・」
わわわっ、また忘れてしまった。
志の輔師匠の三つあったうちのひとつのバッグ。
おっかしーなぁ、なんで忘れちゃうんだろーーー。
テ「忘れたところは覚えてます、
明朝問い合わせて事務所に送ってもらう手はずにいたします」
僕自身の荷物は忘れないのです。
余計いかんね。
忘れるなら自分の忘れろよな。


31日(日) 志の輔独演会 富田林
ホテルからジャンボタクシーで富田林へ。
すばるホールというところで独演会です。
なんだか久しぶりにお三味線弾く感じです。
師匠も僕もしばらく着物を着てない感覚が。

大盛況で終演。
出待ちのファンの方たちに丁寧にサインをしてジャンボタクシーへ。
一路新大阪へ。
そして新幹線に乗る。
おつまみ広げビールやら日本酒やらを飲む。
すっかり当たり前だ。

27日に東京を後にしてから二週間くらい経った感じがするくらい濃い日をすごしてきた。
今回もとても勉強になったし身にもなった。
ありがたいことだ。
ほどなく酔って、しばらく寝た。
まもなく東京に着くという頃に起きた。
今日で7月が終わる。
明日から8月。
2日は巣鴨の会だ。

志「これでまた明後日会うと思うと夢のようだな」
テ「はい。なんだかんだで今月は半月ほどご一緒ささせていただきました」
志「ヒャー」


ページのトップへ戻る